2009年10月25日日曜日

オープンソースソフトとプロプライエタリソフトは混ぜて使わないといけないという発想の大転換を個人的に経験したので報告

私の記憶力は人と比べてかなり適当なので、間違っていたら申し訳ない。
思い返すに、JLS2009の上田さんのセッションでは、自分にとって画期的な1枚のスライドと説明があった。一つの製品を出すときに、昔は、内容はあまり気にする必要のない些細な部分と、自社のユニークな部分とで構成されていた。が、今日は、あまり気にする必要のない些細な部分と、自社のユニークな部分以外に、製品を構成するのに重要だがユニークになりえない部分があるというのだ。自分が思うに、市場の要求として、例えばTCP/IPが使えることは多くの製品に強制されつつある。製品は複雑化する一方で、強制されつつある部分も増える一方だ。こういうところは、製品に関わるどの層もあまり関心がない。技術者にしろ、消費者にしろ、そうだ。したがって、経営者としてはここにはOSSを使いコストを削減するのが重要ということになる。

上田さんはCEの方だが、これは自分(ディストリ屋)にもぴったり当てはまる。
自分の現状に言い替えると、オープンソースものとプロプライエタリものを混ぜることや、もっと言うと人のビルドした物と自分がビルドしたものを混ぜることに対して微妙な違和感があったのに対して、混ぜたものを製品とするのは普通で「正しい」ことである、という主張となる。
製品のウリとは何か、そこの部分と、一般にディストリに望まれている部分を分けて考え、一般のディストリが持っている部分はディストリ屋では開発しないというようなアプローチが考えられるべきだと思う。

これをパクりだと思ってしまうと、誰も幸せになれないのだが、如何。私はこの壁を越えられるだろうか。

 

2009年10月18日日曜日

顧客視点とか散々言われて考えていくとどうやら要らない技術系社員のようだと気がついたときにどうすればいいか【ダラダラモード】

最近ビジネス書を読まなくなったのは、どうもこんな結論になりそうで恐いから、のようだ。
会社は世の中の要請にしたがって変わっていけるが、社員はなかなか変われないことがある。
個人の方針転換とは、法人に比べればずっとドラスティックなものを要求されるように思う。カーネル読書会が100回を迎えるにあたって、日本のLinuxの現状についてだらだらと考えてみた。
結論としては、専業会社は微妙だが、兼業会社はそれなりに元気、ということだ。例えば、全く受け入れられていないと言われるデスクトップでも、Netwalkerのようなものが出てきているし、最近はコスト削減の圧力と慣れ親しんだ環境とのバランスがよりコストの方に振れるようになってきていて、ビジネスモデルによってはLinuxデスクトップにはチャンスだと思う。

エンタープライズ分野においては、Linuxはもはや当たり前に使われていて、日本のSIer、あるいはWebベースのシステムの大半にはLinuxが関わっていると考えて間違いないと思う。

そして、組込み分野では、元々強い日本勢は世界に先駆けて積極的にLinuxを導入してきているように見える。今買おうとしているAV家電にしてもLinux搭載が普通に見かけられる。

このように、Linuxを使っているところは順調に増えている。なのにダメダメ感が漂っているのは、上記プレーヤーは全て兼業でLinuxも手を出しているところであるのに対し、前衛を担うべきLinuxの看板を持っているところが元気がないからだ。

最も、ワールドワイドにおいてもLinuxの看板を持っていて成功しているのはRedhatだけ、Canonicalも黒字にはなった、という状態であることにも気がついているのではあるが。
そのRedhatにしても、大分前に本社を移転していて、本社ではJBOSSの事業がメインでやっている。恐らくそろそろRHELも頭打ちと考えていて、仮想化という新たな成長曲線を設定したり、JBOSSなど育て甲斐のある分野を見繕っているように見える。
まだまだLinuxのRedhatではあるが、RHEL5さらに6とトーンダウンしているので、2-3年後には(JBOSSと)仮想化のRedhatになっているかもしれない。

某社においては、現在非常に有望なLinuxビジネスがスタートしているように見える。他の兼業会社の持つようなものをさらに強力にしたようなビジネスモデルであるので、それ自体は喜ばしい。恐らく、来年、再来年と増収増益の成長曲線は間違いない。(また降水確率10%で雨が降るようなことがなければだが。)

問題は、それには私が必要ないということだ。ええ、冒頭に戻りますが、私の問題であります。

今私は「なんでもできます」という名前の何もできないに等しい。なにせキャリアがほぼLinuxディストリ屋しかないのだから。Linux + コンサルだったらLinux兼業のコンサル屋は沢山あるし、Linux + サポートでもLinux兼業のSIerやメーカーは今後もっと出てくると思う。ましてやkernel屋であれば引っ張りだこ。
でもLinuxディストリ屋は日本の椅子はここしかない感じで、世界でもほとんどない。

そういうわけで、このエントリを書いてからあんまり進歩していないのでした。まだまだ悶々とした検討と模索の日々は続きます。

 

2009年10月14日水曜日

Yet another distro for ARM (PC-Z1 a.k.a. Netwalker) 開発録(1)

【発端】
何故か、ふとLinux distributionを作りたくなった。Ubuntuももちろんいいのだが、サーバーディストリビューションをARMv7(Cortex-A8)の上で動かしたらどうなるだろう、どれくらいのパフォーマンスが出るのか、というのを実験したいというのが発端。とりあえずTouch BookをOrderしといた。(いつ来るやら。) 某ディストリの ARM Key-Value Store Editionでも勝手につくるかな。(なんじゃそりゃ) 1:15 PM Aug 29th webでとあるので、このあたり(2009-08-29)で考え付いたらしい。

【Netwalker購入】
# ありゃ、Netwalker買ってきたところだったのに。どうしてくれよう。[…] 3:43 PM Sep 20th HootSuiteで

とあるので、2009-09-20あたりにNetwalkerを購入。Touch Bookは未だに届かない。

【FC6/ARM chrootインストール】
# まあとりあえず、$ sudo apt-get install openssh-server #netwalker 6:25 PM Sep 22nd webで

# とりあえず外付け320GB USB HDDをNetwalkerに接続して、開発環境としてみることに。 6:59 PM Sep 22nd HootSuiteで

とあるので、このあたりでchroot環境の整備を始めた。

# MicroSDにchroot環境をコピーしてみるが、、、寝るまでに終わるだろうか。 10:10 PM Sep 25th webで

と書いてあるように、2009-09-25にはchroot環境がUSB HDDにできていて、MicroSD上に移し替えた。

【Bootstrapping】
# 昨日からarmv7l版の俺ディストリの製作を始めた。 10:41 AM Sep 28th HootSuiteで

2009-09-27より作成開始。

# はまったこと1:gccが古くて-march=armv7lが指定できない。-march=armv6lでごまかす。fedora6/armは armv5telだったが、ターゲットがARMv7以降なので、、 #netwalker 10:52 AM Sep 28th HootSuiteで

armv7lを指定だけはできるようにgccに手を入れるかどうかは後の課題。

# binutilsはeabi有効になったので、今日はgccを仕掛けて出社した。 11:13 AM Sep 28th HootSuiteで

2009-09-28時点でbinutilsはできている、gccは難航した。

# distccやらccasheやらが頭から飛んでいた。 8:18 AM Oct 2nd HootSuiteで

途中でccasheを導入した。しかしgccにはあんまり効果ないようで。

# とりあえずCとC++はまともなのでglibcに行く。gccは2週目になんとかする。 9:35 AM Oct 3rd HootSuiteで

CおよびC++だけをmake bootstrapで動かしたものが2009-10-03にできる。それ以外の言語や、make profiledbootstrapではまだ通っていない。

# glibc終了。binutis二周目。まぁ、おまじないです。 8:04 PM Oct 3rd HootSuiteで

この後全体のビルドに一端入る…

 

2009年10月11日日曜日

Linuxディストリ屋の日常:出勤

今となってはすっかり寂れた感のあるLinuxディストリ屋さんですが、生き残ったディストリ屋の日常はこんなことをしています。出勤は、こんな感じ。

L1(レベル1)&L2サポート係の人はサポート開始時間があるので、出勤が早いです。一方でL3サポートの人は出勤が遅いです。相手も遅いので、遅い方が好都合かもしれません。

L3サポートというのは、サポートの中のサポートで、(自社またはメーカーの)サポート係が解決できない問題にあたる人です。通常ディストリビューターが持ってますが、とても希少な人たちです。

超大手メーカーの中にはL3を自前で持っているところもあります。なんでかというと、世の中のディストリ屋は日本にL3がないからです。北米に問い合わせていると緊急事態に対応できないのです。最後は海外任せ、というのがまずいとなるとL3を持たざるをえないわけですね。しかしこれは高コストになってしまう可能性があります。まあ、それでもお金を払ってもいい、というお客様のためのものではあるのですが。私が思うに、そこまでやるならLinuxディストリも自前で作った方が安上がりだと思うんですけど。お客さんがブランド指定だから仕方ないんですね。他社の大手ブランドを自社で支えているメーカーさん。変な構造です。

コンサルティングを手がける人たちは、お客様直行のこともあります。

私の所属するディストリ作り隊は、早くもないし、遅くもない、というところです。あえて言えば、時差1時間の中国とのやりとりがあるので、それに間に合うように来ることになります。

 

2009年10月11日日曜日

その他のblog

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2009年10月11日日曜日

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2009年10月10日土曜日

ライフログ?

ここは、Ryoji.Kameiのtwitterなどのログと、ふつーのblogを兼ねたスペースです。まる。